家を買えば「資産」になる…は本当?

「賃貸は家賃を払い続けるばかりで戻ってこないから勿体ないですよ。家を買えば資産になるんです。だから買った方が絶対良いです!」

というのはよく 「不動産営業マンの決まり文句」だと言われています笑

私もこの業界に入ったばかりの時は、当然でしょ?と思っていました。

 

でもその根拠は?

資産になるから何がいいのか?

いや…

そもそも本当に資産になるのか?

 

家を買えば、建物は古くなっても土地が残るから資産になる

という単純な理屈はもちろん分かる。

でも…35年間もの長い間、コツコツと住宅ローンを返済して、やっとこさ資産形成したところで将来、それを売却しないなら意味ないでしょ?あの世までその資産は持っていけないんだし…。と思う人も多いはず。

いやいや。子どもたちにその資産を引き継げるでしょ?

と言われればそうなのだが、子どもがいない人もいるし、財産を遺したことによって、それを奪い合う遺産分割の調停事件が増加しているのも事実。仲が良かった子どもたちが、親の遺した財産によって絶縁状態になる家族をたくさん見てきている。

だから子どもたちは自分自信で資産を築いてくれればいいと思う。

しかも、そもそも手に入れた不動産の資産価値が減少する場合だって考えられる。

ということで前置きが長くなりましたが、

マイホームを買うと本当に資産になるのか?資産になると何が良いのか?について考えてみました。

 

◆そもそも「資産」ってどういう意味?

まず最初に、資産の定義をハッキリさせておきます。

◽️会計的には…

資産というのは「現金化できるもの」なので、マイホームは帳簿上では、れっきとした資産です。

◽️でも、お金の流れで見ると…

有名な著書「金持ち父さん 貧乏父さん」で有名なロバート・キヨサキは「お金を生み出すものが資産、お金を奪うものは負債」と言ってます。

この視点で見ると、自分が住むマイホームはお金を生まない=負債とも言えるわけです。

 

◆マイホームを買うと資産になると言える4つの理由

マイホームは価値のある資産といえる要素はたくさんあります。実際に多くの人が、資産形成の一部としてマイホームを所有しています。

◽️理由その1:住宅ローンを返すことで資産が増える

たとえば3,000万円の家を2,000万円住宅ローンで買ったら、1,000万円分はすでに自分の資産です。つまり、自己資金として出した現金1,000万円を不動産に資産組み換えしたということです。そして、ローンを返し続けることでその「持ち分」はどんどん増えていきます。

◽️理由その2:インフレに強い

物価が上がれば当然、住宅価格も一緒に上がる傾向があります。まさに今インフレ傾向なので住宅価格も上がっており、町田市内も駅近のマンションは4~5年前よりもだいぶ高いです。都心3区や5区のマンション価格なんて、この10年で平均して約2倍になっています。

◽️理由その3:レバレッジ(少ない元手で大きな資産)効果がある

住宅ローンというのは、超低金利で長期間借りられる珍しい借金です。つまり、小さな自己資金で大きな資産を手にすることができるということです。

◽️理由その4:老後に住む場所があるという安心感

ローンを完済すれば、老後は家賃不要なので安心だということ。高齢になってもずっと賃貸暮らしというのも何かと不安ですよね。近隣住民との騒音トラブルやゴミ問題、または突然立退きの要請があるかもしれません。単身の高齢者にはなるべく貸したくない、という賃貸オーナーも多いので転居先が見つかるか分かりません…。

内閣府の調べ(令和5年度)によると国内で65歳以上の者の8割以上が持家だという統計も納得です。必要となれば売却資金を元手に介護施設に入所したり、賃貸に出して家賃収入を得ることもできます。

マイホームを購入して資産にする目的として、この老後の問題が一番重要だと思います。

 

◆負債になるリスクも…

一方で、マイホームが「資産どころか負債になる」ケースも実は少なくありません。

◽️リスク1:即現金化しにくい(売りたくても売れない場合がある)

郊外や人口が減っている地域では、今後もっと地価が下がる可能性が高いので、売りたいと思う金額でなかなか売れない場合があるということ。

◽️リスク2:維持費がかかる

当然ですが、不動産を所有すると固定資産税、火災保険、修繕費…見えないコストが毎年積み重なります。

◽️リスク3:建物の価値は時間の経過とともに減少する

特に日本の木造住宅は、築20年を超えると評価が大幅に下がる傾向があります。最終的には「土地の評価しか残ってない」状態になることもあります。

 

◆マイホームを「資産化」するためのポイント

では、どうすればマイホームを「負債」ではなく「資産」として形成できるのか?そのためには、次のようなポイントが重要です。

◽️リセールバリューを意識した立地選び

都心、駅前・駅近、再開発エリア、コンパクトシティ化による行政によって定められた居住誘導区域など、将来性のある地域を選ぶことで、資産価値が下がりにくくなります。

都心ではなく地方都市でも、駅近であれば上がる可能性が高いです。マンションであれば徒歩5分以内、戸建であれば徒歩15分以内が理想です。

◽️マンションは60㎡~70㎡、土地は100㎡の容積率100%以上(都下エリアの場合)が理想

資産価値を維持する、という側面だけで考えると、マンションや土地の面積は大きければ大きいほど良い、ということはありません。むしろ大きくなればなるほど需要が減る(購入層が少なくなる)ので資産価値は目減りしやすくなります。つまり、どれだけ需要(人気)がある大きさ(広さ)かが重要だということです。

マンションであれば60~70㎡が最強。土地の場合は容積100%の100㎡(都下エリアの場合)です。共働き世帯が増えたことで家族時間の確保と、維持管理費の負担減が最優先になってきており、広さよりも駅に近くて安い物件というニーズが最も高いです。

◽️マンションは管理状態、戸建は災害対策と性能表示で価値を維持

マンションの価値を活かすも殺すも管理次第です。「管理は管理会社に任せておけばいい」なんて思っている住民ばかりで、主体的に運営しようとしない管理組合だったりすると、買手が付かなくなり評価が下がりやすいです。

また、戸建の場合は耐震補強や水害対策などの災害対策ができているかどうか。太陽光発電、省エネ性能、断熱性能などによっても、他の物件と差別化ができて売るときの価値も上がりやすいです。

 

◆まとめ:マイホームの資産価値は「選び方と使い方」次第!

マイホームは確かに資産になり得ますが、それは選び方と・活かし方次第だということです。「家を持つこと=安心」だけではなく、「どういう家を、どういう目的で、どう持つか」がカギとなります。資産性を重要視する場合に大切なのは、感情で買わず、戦略で選ぶことです。

 

◆補足:そもそもマイホームは経済合理性が全てではありません。

ただし戦略といっても、それは損か得かという話の場合です。いくら資産価値が大事とはいえ、「私は駅から遠くて不便でもいいから緑が多くて庭の広い家に住みたい」という人が、資産性を優先して大都会のタワマンを買うというのも変な話です。つまり経済合理性よりも、生活するうえでの優先順位、あなたの価値観によってマイホームの選び方は変わるということです。資産価値が全てではありません。

 

マイホームは資産になるのか?について解説したにもかかわらず、最後の最後で「あなたの価値観次第ですよ」と元も子もない感じですが…実は一番大事なことかもしれません。例え、こんな不動産は絶対買ってはダメ!と言われるような物件であっても、見た人が「ここに住みたい!」と思うかどうかです。その物件で夢を叶えたいと思えば、その人にとっては最高に良い買い物になると思います。

そんなお客様の価値観を満たす、価値提供をしていきたいBESTHOUSEです ―――――

長々と、ここまで読んでいただいて、ありがとうございます!